
2020年に命に関わる病気を告知されてから、私の人生は大きく変わりました。
60代になった今、病と向き合う中で、今まで気づかなかった自分の心と体の仕組みについて、深く考えるようになりました。
そして、ある一つのことにハッとさせられたんです。
それは、私たちが「何かを変えなくては」と思いながらも、なかなか行動に移せないのは、私たちの体が、その思考や感情を「習慣化」しているからだということです。
思考と感情のループ
病気になる前の私もそうでした。
「もっと健康にならなきゃ」「もっと前向きにならなきゃ」と頭ではわかっているのに、朝起きるとまた同じ不安に襲われたり、同じ後悔を繰り返したりする。
まるで、自分の思考や感情が、同じ道をぐるぐる回る癖をつけてしまっているかのような感覚でした。
それは、私たちが長年続けてきた思考や感情のパターンが、私たちの体に習慣として深く刻み込まれているからなんですね。
頭では「新しい自分になろう」と思っていても、体がそれに慣れていないから、無意識のうちに元のパターンに戻ってしまう。
ほんの僅かな一歩を踏み出す勇気
でも、このことを知って、私は少しだけ気持ちが楽になりました。
「変われないのは、意志が弱いからではないんだ」と分かったからです。
そして同時に、「ほんの僅かな一歩でも、新しい行動を始めることが、この習慣を変える第一歩になる」と気づきました。
私が病を通して始めた「春名式かくりん気功」も、最初はほんの小さな一歩でした。
毎日、数分間の呼吸法とリズム歩行でゆっくり歩くこと。
ただただ続けてみました。
すると、不思議なことに、少しずつですが、体の中に新しい感覚が芽生え始めたんです。
もし今、あなたが「変わりたい」と思いながらも、なかなか一歩が踏み出せないでいるなら。
それはもしかしたら、あなたの体が、長年の習慣に慣れてしまっているだけかもしれません。
だから、自分を責める必要は全くありません。
まずは、ほんの僅かでいいから、今までの習慣とは違う一歩を踏み出してみませんか?
それは、新しい本を読んでみることかもしれませんし、朝、少しだけ早く起きてみるという小さな行動かもしれません。
その小さな一歩が、きっとあなたの体の中に新しい習慣の道を作り、新しい自分へと繋がる扉を開いてくれるはずです。
あなたにとって、今、踏み出せる「僅かな一歩」は、どんなことですか?